多次元尺度構成法(MDS)に関する研究  

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1.1 多次元尺度構成法の概要

多次元尺度構成法(*1)は操作的分類単位(*2)という要素を扱います。MDSを使えば各OUTの類似度データ(*3)から、適当に設定する次元にOUTを布置(*4)することができます。ただし、次元の設定とデータの内容により相応の誤差(*5)が発生します。

つまり、各個体データの比較から各個体同士の相対配置を視覚的に捉えることを可能にする手法といえます。

(*1) 多次元尺度構成法:MultiDimensional Scaling(MDSと略)
(*2) 操作的分類単位:Operational Taxonomic Unit(OUTと略)
(*3) 類似度データ:proximity data(“近接性データ”ともよばれる)
(*4) 布置:configuration
(*5) 誤差:stress(埋め込み程度を表す指標ともなる)

1.2 多次元尺度構成法の種類

1.2.1 古典的多次元尺度構成法(classical MDS):Torgerson(1952,1958)

スカラー積行列(scalar product matrix)(*6)の固有ベクトルを用いて、最小2乗解を求める。

  (*6)スカラー積行列:2重中心化された2乗距離行列(double centered squared distance matrix)とも呼ばれる

1.2.2 非計量多次元尺度構成法(nonmetric MDS):Kruskal(1964a,b)

“MSDCAL” 非線形の最適化手法を用いたデータ最適変換を含む解法。

1.2.3 “INDSCAL”:Carroll & Chang(1972)

データに重み付きユークリッド距離モデルを用いるスカラー積モデルの解法。

1.2.4 “ALSCAL”:Takane, at al.(1977)

2乗距離をフィットする解法。

1.3 距離の定義

数学的に“距離”の定義は以下のようになされます。

(1) δ(i,j)≧0 :等号が成り立つのはi=jのときに限る

(2) δ(i,j)=δ(i,j) :対称性

(3) δ(i,j)≦δ(i,k)+ δ(k,j) :三角不等式


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